« 民主党が障害者政策推進議連を設立 | トップページ | 四季があるから美しい? »

2006年11月23日 (木)

岩本日航客室乗務員労災認定に寄せて

 下記のように日本航空の元客室乗務員、岩本章子さん(59)が東京高裁にて労働災害に認定された。大変喜ばしく思うと同時に、これを一つの区切りとして今後のご多幸を祈りたく思います。
 それにしても1996年5月から10年と6ヶ月、さぞ長かったであろうと思います。

昨今表面化した非正規雇用者の労災隠し・労災とばしを含めて正規雇用者でさえ、このような迫害を受けていることを是非多くの人に知って貰いたいと思う。明日は我が身、である。
問題の背景には幾つもの原因がある。
・労災保健法(労働者災害補償保険法)が労働者は疎か使用者にも周知されていない。
・使用者が加入義務を無視している、または無知である。
・使用者側が災害を隠す傾向が大きい。
・使用者側が労災かどうかを勝手に判断して労働者にその判断を押しつける。
・労働基準監督署が使用者側の意見を鵜呑みにして本人・遺族を信用しない。
・労働基準監督署・労働局の審査が密室で行われている。
・結審するまで保証が受けられない。それまでは兵糧責めされ続ける。
・労働基準監督署担当者の勉強不足。判例の知識がない。または知らないふり。
・使用者が労災申請を妨害する。関係者への口止め、証拠隠滅、挙げ句に被災者に無能の烙印を押す。
・「成果主義」が組織内を分断して信頼関係が崩壊している。
・弁明の機会がない自死者、脳心臓疾患・精神疾患者など因果関係が複雑な場合、その立証義務が被災者にあるかのごとく扱いを受ける。
などである。

粉塵災害や公害被災者の被災者のうち、社会的に認知された場合はそれなりの救済が行われるようになってきた。しかしこれとてまだまだ不十分である。

本人の申し出または使用者・関係者が労災の可能性有りと認識した場合、使用者は労災・公務災害の申請を行い、被災者に経済的支援を行うと同時に厚生労働省・労働局・労働基準監督署・使用者・産業医・労組・被災者本人などが協力して原因の究明と再発防止に向けた努力を継続することが必要だ。

『労災隠しは犯罪です』『労災保険に加入しよう』という掛け声ポスターを何万枚配布してもその実効性は疑問だ。

けが・病気で苦しんでいる人が居る、その現実を直視して謙虚に知恵を絞る、それが第一歩ではないか。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-23/2006112301_04_0.html
客室乗務員は過重労働
日航・岩本さん 2審も労災認定

 乗務で海外滞在中に、くも膜下出血で倒れた日本航空の元客室乗務員、岩本章子さん(59)の労働災害認定訴訟で、東京高裁民事二十三部(安倍嘉人裁判長)は二十二日、「業務による過重な精神的・身体的負荷が原因」だとして、一審の千葉地裁に続いて労災と認める判決を出しました。

 業務の過重性について「労働時間だけで評価せず、勤務状況や環境、精神的緊張など総合的に評価すべき」としており、他の労災認定にも影響を与える判決です。

 岩本さんは一九九六年五月、乗務先の香港のホテルで倒れました。会社の規定(月八十五時間)ぎりぎりの乗務が六カ月以上続き、同期と比べても勤務時間は一番長く、南米線・ニューヨーク線など時差もストレスも大きい長大路線に毎月乗務していました。

 成田労基署が二〇〇一年、「業務外」としたため、千葉地裁に提訴し、〇五年勝訴。成田労基署が控訴していました。

 高裁判決は、客室乗務員について「身体的精神的ストレスにさらされやすく、労働密度は相当なもの」と認定。岩本さんの場合、労働時間と乗務内容から「相当負荷の大きい業務が六カ月間継続しており、過重な負荷を生じさせ、疲労を蓄積させた」として、労災に該当すると認めました。

 日航は「私傷病」扱いし、休職期間満了を理由に二〇〇〇年、岩本さんを解雇。岩本さんは、現在も右半身不随と言語障害を抱えています。

 判決後の報告集会で岩本さんは涙ながらに「大丈夫です」とのべ、大きな拍手に包まれました。大森秀昭弁護士は「広く救済に道を開く大きな意義がある」とのべました。
--------------------------------------------------------

|

« 民主党が障害者政策推進議連を設立 | トップページ | 四季があるから美しい? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/183613/4290435

この記事へのトラックバック一覧です: 岩本日航客室乗務員労災認定に寄せて:

» 「ああいうような立派な会社であれば…」柳沢厚労大臣暴言【安倍ちゃん内閣暴言三昧】 [情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士]
「私は別段会社を区別するつもりはありませんけれども、ああいうような立派な会社であれば、論拠がないままに争議の中に入っていくということは、私はないと思うわけでありまして、何らかの彼らにも主張すべき事由があって、そうした形で今争いが行われているということだろうと思います。したがいまして、私が今ここで阿部委員に向かって、その手続を差しおいて何らかコメントをするということはやはり差し控えるべきであ... [続きを読む]

受信: 2006年11月23日 (木) 23時32分

» 労災認定後のアフターケア 【うつ病 休職 お助け部屋】 [うつ病休職お助け部屋]
【うつ病 休職 お助け部屋】労災保険制度では、業務上災害又は通勤途上災害により被害を受けられた方に対して、その方の症状が固定した(治ゆ)後においても、後遺症状や、後遺障害に付随する疾病を発症させるおそれがあることから、必要に応じ予防その他の保険上の措置...... [続きを読む]

受信: 2007年1月31日 (水) 23時57分

» くも膜下出血等の後遺症による右下半身麻痺が驚く程回復した奇跡の回復法 [くも膜下出血 後遺症]
くも膜下出血等の後遺症である麻痺を回復させることで、一人で悩むのは、もう辞めませんか?リハビリテーションにも通っている。色々... [続きを読む]

受信: 2007年3月11日 (日) 01時58分

« 民主党が障害者政策推進議連を設立 | トップページ | 四季があるから美しい? »