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2006年11月30日 (木)

教育基本法が瀕死の重傷です

とある私立中高一貫校の先生の「お手紙」を転載します。
教育基本法が瀕死の重傷です。長文になりますがご容赦下さい。

http://blogs.yahoo.co.jp/starstory60/24190706.html
同窓生への手紙  2006/11/29(水) 午前 7:56 
「教育基本法『改正』案が、この臨時国会で成立することが確実となった」という記事が、今朝の朝日新聞のトップ記事で載りました。それでも私はこの手紙を出そう。(出すって言いながらなかなか書けなくて今日やっと発送です…汗。。)たとえ教育基本法が「改正」されてしまったとしても、後から「やっぱり『改正』はまちがってたのかもしれない」と思ってもらえれば、ファシズムと戦争に向かう次の契機をストップさせる歯止めになるだろうから。ブログに書くのとちがって「顔のみえる」友人を相手に政治的なことを手紙に書くのは、いくら私でも多少抵抗があるし、嫌がる友人もいるかもなあとは思うけれど、この際しょうがありません。こんなに日本が激動しているのに、そのことに一言も触れず、「仲良く」しているのもそれはそれで問題だと思うし。

下の手紙は小学校時代の同窓生に宛てて書いた手紙です。リーフレットを同封して今日発送します。4年生から6年生までの3年間を受け持ってくれた担任の先生は、あたたかい人で、3年という時間をかけて私たちと付き合ってくれたこともあって、仲良しのクラスになりました。あの思い出を共有した友達にだったら、もしかしたら通じるかなあ、通じてほしいなあという願いを込めて、送ります。

親愛なる6年○組の皆様へ
夏のクラス会は楽しかったです。みんなに会いたかったけど、会えない人もいて残念だった。今日はどうしても伝えたいことがあってお便りします。

「教育基本法」という「教育の憲法」が変えられようとしていることを知っていますか。いじめや履修漏れなど「教育現場の荒廃」が話題になって、それ以前からの「学級崩壊」なんかもあって、「今の学校はなっとらん!教師がしっかりしてないからだ」「公務員で地位が安泰なものだからやる気もなくて、子供たちに向き合おうとしていない」「自分勝手なことばかりする子供たちや若者には、『公共心』や『道徳心』を教えなくてはいけない」「個人の権利ばかり強調する戦後の教育は変えなくてはいけない」という声が、「教育基本法」の「改正」を後押ししています。

私は長く学校現場で働いていて、そんなに父母やマスコミが騒ぎ立てるほど「とんでもない教師」には会ったことないけれど、まあ、それは措くとしましょう。「今の教育には問題がある、時代は変わったのだから教育基本法も昔のままではいけない、新しい時代に合った新しい教育基本法に変えるべきだ」というのは一見もっともなように聞こえます。しかし「教育基本法」を読んだことがありますか。新しい「改正」案を読んだことがありますか。教育基本法の「改正」を審議する委員会で、委員の議員は「教育基本法の内容を知っている人など一握りしかいない」と口を揃えて言ったそうです。「今の教育と学校には問題がある」という気分だけで、何が問題の根本なのか、何が原因でこうなっているのかがきちんと検討され議論されないまま、今の法律と法案の中味さえ知らないままに、重要なことが変えられようとしているのではないでしょうか。

私は教員としても市民としても関心があって、今の法律と「改正」案を調べてみました。「改正」案が通ったらどうなるのか------怖ろしいことになります。

まず、小学校段階から学力テストで「できる子」と「できない子」を振り分け、「エリート」とピラミッドを底辺から支える「労働者の卵」に振り分けます。今までの教育は、できる子もできない子も一様に尊重し、勉強のできるできないで公立学校の予算に差をつけるなんてことはしなかったけど、今度は「できない子」が多くて総合成績の悪かった学校には予算をちょっとしか配分しないということになります。「できる子」が多くて総合成績のよかった学校はそのぶん沢山予算をもらえます。「できない子」が学校にいると学校は貧乏になってしまうので、先生たちはきっと「できない子」に舌打ちして、「お前のせいで学校が貧乏なんだ」なんて言うようになるでしょう。私の妄想だと思うなら、東京都ですでに何が行なわれているかを調べてください。上のプランは東京都足立区で来年4月から実施されようとしていたことです。そのプランがメディアに漏れてプランは先送りになりましたが、教育基本法「改正」が行なわれたら、このようなことが全国で行なわれるようになるのです。(くわしくは「教育再生」プランの「学校評価制」「教育バウチャー制」。)アメリカではすでに行なわれています。小さい頃の成績なんてだいたい家が金持ちか貧乏かで決まります。お金持ちは家庭教師をつけたり莫大な教育投資をして子供の成績を上げることができるけど、母子家庭だったらお母さんが働きに出ている間、家の家事をしなくちゃいけないとかあれこれ勉強をみてもらえないとか。そうやってアメリカでは貧乏なうちの子が通う学校は設備も貧弱で先生もなり手がないので新任の経験の浅い先生ばかりで、ますますほったらかしにされて、大学へはほとんど行けないという状況になっています。大学へ行けなかった子は、高校を出るか中退して、マクドナルドみたいなファストフード店で働きます。そんなふうに夢を奪われた若者たちにリクルーターが近づいて、イラクへ兵士として送っています。今、「学校選択制」といて自由に学校を選べる、「教育バウチャー制」で貧乏な家の子でも大学へ行ける、と輝かしい未来があるように政府は宣伝していますが、「学校選択制」と「教育バウチャー制」をすでに実施したイギリスとアメリカの教育がどうなっているかをみると、「国を支える一握りのエリートにだけ予算を使って、多くの子供たちには予算も十分な教育環境もあてがわないという状況です。また子供たちは真に考え、勉強を楽しむことよりも、点数を上げることを要求されるようになります。「エリート」の卵である子供たちにとってもよいことではないと思います。

△△小学校6年○組では、N先生は、「できる子」にも「できない子」にも一様に愛情を注いで下さいました。人間の価値は勉強のできるできないで決まるのではない、どの子も大切なのだということを伝えて下さいました。私は授業中ぼけっとお話を考えたり、夢中になって手つなぎ鬼をしたりして、豊かな子供時代を過ごしました。その豊かな子供時代は、私がそのあと生きていくのに大きな力となりました。

教育基本法「改正」ではさらに、国の決めた法律や教育委員会の通達とちがったことをしてはいけないということになります。「あたりまえだ」と思いますか。でも国が悪い法律を作ったり教育委員会がとんでもない通達を出したりしたらどうでしょうか。たとえば60年ほど前まで日本には「治安維持法」という法律がありました。戦争に反対し平和の大切さを訴えることもしてはいけないと定めた法律だったのです。そんなひどい法律が知らないうちにできないように、国会議員全員が賛成しても通さないように、万一法律になってしまった後でも「基本的人権」を侵害することがわかったら無効にする、というのが「憲法」および「教育の憲法」たる「教育基本法」の役目でした。「改正」案では「教育基本法」は「教育の憲法」ではなくなってしまって、政府がそのつど法律を通してしまったら、どんな悪法でも従わなくてはいけない、ということになります。これから先、ひどい悪法ができたとしても教育をその悪法から守る手段はなくなるのです。ところで私たちは忙しいですからね。国会で審議される何百何千という法案をいちいちチェックするヒマなんてありません。知らないうちにスルっと法律ができてしまった、なんてことはいくらでもあります。(残業代も払わずにいくらでも残業させていい、という法律が成立しそうなこと、知ってますか。また「治安維持法の復活」といわれる「共謀罪」という法律が今国会中にも創設されようとしていることをご存知ですか。)

『純情きらり』という朝ドラが好きで、欠かさず観ていました。「きらり」は戦争中の日本を舞台にしたドラマです。主人公の姉で女学校に勤める笛姉ちゃんが、授業で源氏物語を教えると、視学官が「天皇を冒涜する不敬罪だ」といって目をつけます。笛姉ちゃんは学校を退職させられてしまいます。学校が再びそんなところにならないと、誰が断言できるでしょうか。

N先生が昔、ベトナム戦争で殺したベトナム人の首を捧げ持って笑っている米兵の写真を授業で見せてくれたことを覚えていますか。戦争というものが人を変えてしまうこと、殺される者にとっても殺す者にとっても非人間的な出来事であることを幼心に刻まれました。これから先起こるかもしれない戦争の報道写真を教師が生徒たちに授業で見せるとしたら、「国会で可決した戦争にさからうことを教えている」と処罰されることになりかねないのです。

教育基本法「改正」に反対して下さい。PCを使える方には便利なフォームがあります。マスコミや審議中の参議院議員に一斉にメールを送れるフォームです。

http://www.hyogo-kokyoso.com/webmail/kyoikukihonho1.shtml
パソコンを使わない方は、ファックスを議員に送って下さい。
ファックスの宛て先:参議院教育基本法特別委員会委員長 中曽根弘文
            電話 03-3508-8630   FAX  03-3592-2424

リーフレットを同封しました。教育基本法について詳しいことをお知りになりたかったら、リーフレット裏に記載してある「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」のサイトを開いてみてください。

この手紙が不愉快だったり、納得できなかったり、疑問な点があったら、どうぞ遠慮なくstar(実名)までメールか葉書を下さい。

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コメント

僕のブログへのコメントと、TB有難う御座いました。

貴ブログ、読ませて戴きました。
おかきになっているとおりです。

国民が、この事を考える事が大切ですね。
その意味で、このような取り組みが、重要ですね。

投稿: 今日 | 2006年12月 1日 (金) 06時13分

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