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2006年11月28日 (火)

栃木の食品卸売会社新入社員自殺労災認定に寄せて

文部科学省は「いじめ」の要件として次の3項目を同時に満たすことを要求している。
(1)自分より『弱い者』に対して『一方的に』
(2)身体的・心理的な攻撃を『継続的に』加え
(3)相手が『深刻な』苦痛を感じている   (『』付けは寸胴)
あくまで「いじめる側の視点」だ。この定義によるといじめた側は「自分は強くない」「一方的じゃない」「継続的じゃない」「深刻じゃない」のいずれか一つを証明できれば無罪放免となる。逆にいじめられた側はこれら全てを立証しなければならない。なにかおかしくないか?
いじめられる側はそれを「いじめ」とも思わず「身体的心理的な苦痛」を感じ、自分を叱責し、時に死を選ぶ。

今回報道された「栃木の食品卸売会社新入社員自殺労災認定」では被災者ご遺族の意志もあってか匿名報道で、会社名も伏せられている。NHKの報道にあるようにご遺族は「労災と認めてもらったことは救いだが、息子が自殺してまだ悪夢が続いているようだ。労基署には労災が起きないような予防対策を、企業には社員の健康やメンタルヘルスを守るさまざまな支援をしてほしい」と訴える。被災者を匿名とするのはご遺族の意志を尊重すべきだが、会社には会社名を公表し、再発防止にどのような取り組みをしていくのかを言明する社会的義務がある。行政側も現在の指針を早急に見直し、被災者を早期に救済し、会社と協力して再発防止を継続的に行う仕組みが求められる。労災保険を強制徴収しておいて、いざ労働者が被災したときに保険金の支払いを渋る、引き延ばす、これでは官製詐欺だ。少なくとも労災判例は速やかに実務に反映させ、被災者を救済することが労働基準監督署、労働局、中央保険審査会、厚生労働省に求められる。

人はそれぞれ強い面・弱い面を持っている。使用者には各個人の強い面を伸ばし弱い面を周囲の者でカバーし人を育てる義務がある。団塊定年で即戦力をほしがっても問屋は卸してくれない。人材は原則自前で育てるのが使用者の義務だ。そのことを今一度考えてほしい。
仕事に追いつめられ、自ら死を選んだ若者に深く哀悼の念を捧げる。

http://www.asahi.com/national/update/1127/TKY200611270344.html
自殺の新入社員、労災不認定処分を取り消し 東京地裁
2006年11月27日21時05分
 栃木県の加工食品卸会社に入社後8カ月で自殺した会社員男性(当時23)の遺族が、労災と認められなかったことを不服とした行政訴訟の判決が27日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は、月100時間を超える残業や売り上げ目標の未達成などが、「独り立ちしたばかりの新入社員にとって相当の心理的負荷を与えた」と指摘。仕事上のストレスと自殺との因果関係を認め、遺族補償などの支払いを認めなかった真岡労働基準監督署長の処分を取り消した。
 判決によると、男性は02年4月に入社。半年間の研修を経て、10月から取引先の3店舗の営業担当となり、死亡前3カ月の残業時間は月に約110~150時間に及んだ。取引先との人間関係を築けず、売り上げ目標を達成できなかったことなどがストレスとなった。12月中旬までにうつ病を発症し、同月24日に自宅で自殺した。
 国側は、自殺の労災認定基準とされている厚生労働省の判断指針に照らせば心理的負荷は「中程度」になるとし、死亡との因果関係を否定した。
 しかし、判決は「研修では先輩の商談に同席するだけだったのに、急に裁量権を与えられ商談にも一人で臨んでいた」と指摘。新入社員である点を考慮して通常よりもストレスの評価を強く修正すべきだと述べた。
 過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士は「入社1、2年目でうつ病になり、自殺するケースが増えている。新入社員の経験や能力に配慮した職場の改善が必要だ」と話している。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061127AT1G2702F27112006.html
栃木の新入社員自殺、労災と認定・東京地裁判決
 栃木県の食品卸会社に入社して約8カ月後に自殺した石沢史教さん(当時23)の両親が、国に労働災害保険の遺族補償一時金の不支給処分取り消しを求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は「業務上の心理的負荷は新入社員にとって相当強度だった。業務に起因して精神障害を発症し、自殺したと認められる」と述べ、労災と認定した。
 判決によると、石沢さんは2002年4月入社。半年の研修終了後から営業職に従事。月150時間前後の残業や取引先とのトラブル、ノルマ達成などのストレスが重なり、同年12月24日、自殺した。遺族が会社を相手取った訴訟では今年7月、和解金約2000万円を支払うことなどを条件とする和解が同地裁で成立している。
 判決後、記者会見した原告側代理人の川人博弁護士は「企業が十分な研修をせずに新入社員を即戦力とした結果、うつ病になり自殺する例が増えている。行政は労務管理のあり方を抜本的に見直すべきだ」と訴えた。  (21:31)

http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2006112701000505
新入社員の自殺、労災認定 遺族補償不支給取り消す
 栃木県の食品卸売会社の新入社員だった男性が自殺したのは長時間労働などから発症したうつ病が原因として、男性の両親が、遺族補償給付を認めなかった真岡労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、過労による自殺と認め処分を取り消した。
 難波孝一裁判長は「男性が入社後6カ月で初めて担当の取引先を与えられた心理的負荷は相当に強く、精神障害を発症させる程度に過重だった」と判断した。
 判決によると、男性は大学卒業後の2002年4月に入社、同社宇都宮支社の営業担当に配属され、10月から2社の取引先を任された。
 時間外労働時間は、9月まで月50時間未満だったのに、10月からは月150-112時間に急増、取引先とのトラブルや売り上げのノルマを達成できない悩みも重なった。12月中旬までにうつ病を発症し、同月24日、自殺した。
 真岡労働基準監督署は04年8月、自殺は業務が原因ではないとして遺族補償を給付しない処分をしていた。

http://www3.nhk.or.jp/news/2006/11/27/d20061127000146.html
新入社員の過労自殺を認定
訴えていたのは、4年前に栃木県で加工食品卸会社に入って8か月で自殺した新入社員の遺族です。遺族は、過労や営業ノルマの達成など仕事上のストレスが自殺の原因だと訴えましたが、真岡労働基準監督署は「残業時間などが特に多いわけでもなく、ストレスとは言えない」として、労働災害には当たらないと反論していました。判決で東京地方裁判所の難波孝一裁判長は「多くの社員が行っているとしても、独り立ちして間もない新入社員にとって、月に150時間を超える時間外労働や営業ノルマなどは強いストレスであり、自殺の原因になった」と指摘して、労働災害と認めるべきだという判断を示しました。遺族側の川人博弁護士は「仕事のストレスで自殺する新入社員は年々増えている。若い社員を育成する際の企業の責任と配慮の必要性を指摘した意義のある判決だ」と話しています。自殺した男性の父親は「労災と認めてもらったことは救いだが、息子が自殺してまだ悪夢が続いているようだ。労基署には労災が起きないような予防対策を、企業には社員の健康やメンタルヘルスを守るさまざまな支援をしてほしい」と話していました。  11月27日 18時9分

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