教育関連地方版の紹介~障害児教育ほか~
朝日の地方版「マイタウン」を紹介する。
http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000250603160001
(1) 障害も個性ととらえる 2006年03月16日
http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000180604210001
発達障害児集団の中で 2006年04月21日
http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000180604280001
発達障害児の進路 私立中受験も選択肢 2006年04月28日
http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000250604040001
(1) 共学化で人気 難関校に 2006年04月04日
http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000612010002
開智中学生の死亡 「真相究明を」両親提訴 2006年12月01日
はじめ3件が発達障害、学習障害児を私立が受け入れている事例。ヤンキーと粋がっている教育再生会議委員には是非とも現場を見てもらいたい。これらの障害を持つ子は授業中騒いだり奇声を発する事もある。障害が大人になってからわかる場合さえ珍しくない。早期発見・早期対応でその子の個性を生かせる場を一緒に探すのが社会の務めだ。
残念なことに周囲がこれらの障害に気付かずに「お客さん」化している事が多いようだ。自分の子に障害者というレッテルを貼ることに対する親の抵抗感も大きい。
下記は私学で受け入れている事例だが、今後、公立学校も学び、実践するべきではないか。東京近郊では経済的余裕と通学の便があればこれらの私学も選択指に入ろう。しかし、地方の市町村には選択の余地がない。憲法の平等権はいまだ保証されていないのだ。
衣食足らずとも国を愛せ。政治家は休んでも馬鹿を言ってはいけない。
4件目は共学化による成功例、
そして5件目は中学生の自殺。両親は【教師に相談していた「盗難」について学校は全容を解明し再発防止策をとる義務を怠った】と主張。学校は【学校生活の中から、自殺につながるような原因は見あたらない】として、法的責任はないと主張している。こどもが教師に相談するのは相当に追い詰められているからだ。「無いことの証明」は困難だが、学校がそう主張する以上、説明責任はある。ほかの生徒の証言、教師の証言を隠蔽することなく誠意を持って対応してほしい。
「続き」に記事掲載。元記事には写真も載っています。
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(1) 障害も個性ととらえる 2006年03月16日
読者の方から連載に対し、100通超のメールやファクスが寄せられた。その中から改めて取材した事例を紹介する。
◇
発達障害のある長男が、元気に私立一貫校に通っている神奈川県に住む母親(37)は、同じような障害がある人に息子の受験経験を知ってもらいたいと考えている。
小学校入学時から「じゃんけんが嫌」と参加しなかったり、運動面に遅れが見られたりした。2年生の時、専門家が下した診断は「アスペルガー症候群」。知的発達の遅れはないが、対人関係やコミュニケーションなどが取りにくいとされる。
小3の3学期から不登校が始まり、4年生の時はほとんど登校していない。治療中は先生の手を噛(か)んだり、机やいすを倒したり。家でも暴れた。「ずっと学校に行かないかもしれない。それならフリースクールや自宅でできる学習法を考えなければ」。母親はそんなことを考えていた。
4年生で通った補習塾には暴れて迷惑をかけてしまい、1カ月しか続かなかった。
ところが、息子は6年生になったとき「中学を受験したい」と言い出した。びっくりした。「何言ってるの、学校にも行ってないのに」。息子は、自分のことを知られていない新しい環境でやり直したい気持ちがあったようだ。
だが、進学塾に入ろうとして「アスペルガー症候群だ」と打ち明けると、「何かあったら困る」と断られた。見返したい気持ちも生まれた。
通いやすく、「心の教育」に力を入れる一貫校に照準を絞った。9月に受けた模擬試験では、志望校合格に十分な成績が出た。見学に行った文化祭で、夫が発達障害でも入学できるか尋ねた。「その子の個性としてとらえる。合格すれば問題ない」という教師の言葉に励まされた。
受験したのは1校だけ。合格発表の掲示板に番号を見つけた時は涙がこぼれた。
息子は人が変わったように毎日のびのびと学校生活を送っている。小学校時代はダメだったスキー教室や文化祭などの行事もこなせるようになった。「同じような障害の子がもし迷っていたら、あきらめないでと言いたい」。息子はこう話している。
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発達障害児集団の中で 2006年04月21日
武蔵野東小・中学校の石橋恵二校長。小学校の教室は発達障害児用の少人数教室と普通の教室が並んでいる=武蔵野市の武蔵野東小学校で
自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害と診断された子供たち。知的・身体的障害を伴わない場合も多いが、周囲の理解を得られにくいために学校生活や進路の悩みは大きい。05年4月に発達障害者支援法が施行されたものの、自治体の取り組みは始まったばかり。30年近く発達障害の子供を受け入れている私立学校を訪ねた。
小、中学校で一貫したカリキュラムを組む武蔵野東学園(武蔵野市)は、小、中合わせて約860人いる児童・生徒のうち、約33%が自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害がある。
校舎内には30人前後が入る教室と、10人弱の少人数教室が交互に並ぶ。少人数教室の時間割りには、国語や算数と共に日常会話を学ぶ「ことば」のコマもある。発達障害の子供たちは初め少人数教室で学び、学習能力の向上にあわせて普通教室に加わるようになる。少人数教室にいた5年生の女児は、理科など数科目の授業と給食時間になると隣の教室に移動する。混乱しないか聞くと「うーん。ビミョー」。
発達障害でない子供たちの受験指導にも力を入れる。中学校の学校案内には、進学先として有名私立高や国公立高の名前も挙げられている。
同学園の特徴は、発達障害の子供もそうでない子供と一緒に集団で教える「混合教育」。集団の中で受ける様々な刺激を療育に生かすというが、同小・中学校の石橋恵二校長は「『福祉』も視野に入れていますが、『教育』の視点を大事にしています」。養護教育の専門家でなく、通常の教員免許を持った職員が発達障害児ばかりの学級も受け持つ。「自閉症といっても幅は大きい。専門家に委ねる手法もありますが、結局は現場の教師がきめ細かく指導しているかどうかが重要です」
小学校の開設は77年だが、発達障害児の受け入れのきっかけは64年に開園した幼稚園にさかのぼる。自閉症児を受け入れ、独特の指導法が評判となった。卒園後の指導も望む声が高まり、小学校を開設。83年には中学を、その3年後には高等専修学校も開いた。
発達障害の子供の多くは専修学校まで進み、就労に向けて学ぶが、地元中学の普通学級に進むケースも珍しくない。「2年前には、自閉症だった児童が私立中に合格した例もあるんですよ」
「一貫校で支援教育を」
千代田区が検討会報告 心理学専門家巡回へ
千代田区は今年3月、「心身障害・発達障害のある子どもへの支援検討会報告書」をまとめた。 検討会は小児科医や理学療法士、NPO団体の代表者らが、昨年3月から会合を重ねた。
報告書は、発達障害の早期診断や保護者への支援の必要性を説いている。と同時に、小中学校や中高一貫校の区立九段中等教育学校で、集団学習や個別学習など学習参加の選択肢を増やす「特別支援教育」を進めるよう求めている。
区子育て推進課は「未就学児への対応は進んでいるが、学校での取り組みはこれからです」。まずは今年度から、心理学の専門家を各小中学校に巡回させる。また、学校と保護者や福祉、医療機関との調整にあたる「特別支援教育コーディネーター」を教員の中から指名するなどの環境整備を進めるという。
昨年7月に検討会の中間まとめを公表した際、区民からは「中学校での受験教育の中で置き去りにされてしまいがちな障害のある子供こそ、中高一貫で教育して欲しい」との声も寄せられたという。
ただ、区立九段中等教育学校は4月に開校したばかりなこともあり、報告書は「今後の経過を見る必要がある」と述べるにとどまっている。
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発達障害児の進路 私立中受験も選択肢 2006年04月28日
3月14日に掲載した連載「中高一貫校のいま@首都圏」で、発達障害の息子が私立の一貫校を受験し合格した読者の体験談を紹介したところ、進路に悩む発達障害児の保護者から多くの反響がありました。日頃の学習や受験にどう取り組めばいいのか、専門家に聞くとともに、連載に登場した母親の体験を改めて紹介します。(山西厚)
■見学時の直感大切
アスペルガー症候群など軽度発達障害のある子供の進学では、学校選びが第一の課題になる。軽度発達障害児を支援するNPO「リソースセンターone」(東京都台東区)の代表理事で臨床発達心理士の上原芳枝さんは、「多くの場合、私立中学の受験を勧めます」という。
まず、少人数学級の学校が多い。中学受験より難度の上がる高校受験を回避できる。生徒たちの性格も素養もバラエティーに富む地元の公立中だと、発達障害児にとって刺激が強すぎる場合も多いという。上原さんは「似た雰囲気の子どもが多い学校だと、対等な友人関係を作りやすいのです」。親が選んだいくつかの学校を本人に見学させ、「
なんとなくあってそう」と直感した学校だと入学後もなじみやすい。
子供の学力と比べ、根を詰めた準備が必要ない難易度の学校を選ぶことも重要だという。発達障害児はストレスへの耐性が高くないからだ。
公立の一貫校も増えてきたが、「開校から間がなく、まだわからない部分が多い」と慎重だ。
連載記事に登場した神奈川県の母親(37)の場合、受験情報誌や医師などの助言から学校選びを始めた。しかし、最後の決め手は「ここが良いと思う」という息子の一言。文化祭や学校説明会にも3、4回通った。
志望校が固まる中、母親は学校に息子の発達障害を打ち明けるか悩んだ。医師の「問題が出るまで言わなくても良い」という助言もあり、結局、文化祭で学校に「発達障害がある人も受け入れているのですか」と質問するだけにとどめた。
上原さんも「学校から誤解を受ける場合もありますから」と慎重な対応を勧める。入学後の面談でも診断名ではなく、子供の特徴を知らせ、「そこでピンと来る先生なら、発達障害への理解や正しい情報を持っている可能性がある」と話す。
■個別指導で不安少なく
受験勉強への取り組み方はどうだったのか。母親は「家で勉強している姿を見たことはありませんでした」。そこで、進学塾に申し込んだが、アスペルガーを理由に息子と会いもせずに断られた。受け入れてくれたのは、たまたま近所にあった個別指導塾だった。
塾では短時間、勉強だけに集中すれば十分で、上原さんも「個別指導なら不安は少ない」。しかし、学習障害(LD)もある場合は、一般的な「詰め込み型」の指導では対応できないという。
LDの場合、繰り返し勉強しても記憶できない。漢字一つとっても、何回書いても覚えられない子供には、偏とつくりを色分けして見せるなど、個々の脳の得意な部分を生かした指導法を考えなければいけない。
注意点は「軽度発達障害児が物事をどう見てどう感じているか。話を聞いたり想像力を働かせたりして確認することがまず必要です」。一つのやり方に固執して勉強が進まない時も、周囲は感情的にならず、本人になぜそうしているのか聞いたうえで別の勉強方法を示すことが大事だという。
■負担が軽い小学校選びを
一方、未就学児の場合、小学校には私立校の選択肢が少ない。
上原さんは、学区にこだわらない学校選択制も広まっており、中学受験と同様、子供の感覚にあう学校を選ぶことは可能だと指摘する。「子供が頻繁にパニック状態になるということは、その集団と合っていないということ。本人の負担が少ない質と量の学校を選ぶことが大事です」
事前に先生たちと会い、発達障害児や支援方法の知識を探ることも重要だという。
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(1) 共学化で人気 難関校に 2006年04月04日
スポーツが強くて質実剛健。「早稲田実業」のそんなイメージがここ数年、大きく変わりつつある。
埼玉県に住む女子生徒は同校高等部の1年生。小4から塾に通い始め、都内の女子一貫校受験を迷っていたとき、早実の共学化を知った。父親(50)は早稲田大学出身。文化祭を見て、いっぺんで気に入った。母親(45)も庶民的で明るい「早稲田らしさ」に魅力を感じた。
入学してみると、運動系の部活は盛んだが想像以上に学業に重点を置いていると気付いた。小テストや提出物が多い。特に女子は勉強熱心だ。
早大の国内の付属・系列校は、早実のほかに早稲田中高(新宿区)、早大高等学院(練馬区)、早大本庄高等学院(埼玉県本庄市)がある。学院と本庄はほぼ全員、早稲田高校は約6割が早大に進む。早実は今春、医学部など外部に出た8人を除く404人が早大進学を決めた。
早実の変化は4校の中でも著しい。100周年を迎えた01年4月に新宿区早稲田鶴巻町から国分寺市に移転。翌年02年、中・高等部共に女子生徒を募集、初等部も設置した。
男女比は2対1と女子が少ないが、共学化によって今では「難関校」の一つに数えられるようになった。早大副総長でもある渡辺重範校長も「女子に引っ張られる形で男子が勉強し、相乗効果が表れている。もともと早大は1939年と早い段階で女子に門戸を開いた歴史がある。中高でも女子を受け入れるのは自然の流れだった」と話す。
早大の付属・系列校で唯一の初等部を持つのも強みという。初等部から上がってきた生徒が中等部に入学し、いずれ大学に進めば、生粋の「早稲田育ち」が誕生する。
一方で渡辺校長は各付属・系列校の「差別化」の必要性も感じている。学院は大学との連携、本庄は理系の人材育成、早稲田中高は他大学進学の選択の余地を残す。「同じような子どもを育てるのではなく、その学校でなければ育たない個性のある生徒に早稲田大学に入ってもらいたい」
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開智中学生の死亡 「真相究明を」両親提訴 2006年12月01日
提訴後に記者会見を開いた杉原正彦さん=さいたま市で
提訴を受け記者会見を開く、開智中の福田篤校長(右)と学校法人開智学園の青木徹理事長=さいたま市岩槻区の開智中で
◇学校「法的責任感じず」
越谷市で7月、列車にはねられ死亡した同市の中学3年杉原賢哉さん(当時14)の両親が、賢哉さんが通っていた私立開智中学校(さいたま市岩槻区)を運営する学校法人開智学園らを相手に、損害賠償を求め、30日、さいたま地裁に提訴した。両親は自殺だったと主張している。
訴状などによると、亡くなった7月4日、学校を無断欠席したのに担任教師が速やかに欠席の確認をしなかったのは注意義務違反にあたる▽賢哉さんが教師に相談していた「盗難」について学校は全容を解明し再発防止策をとる義務を怠った▽学校に不誠実な対応をされ、精神的苦痛を負った――としている。
提訴後、父親の正彦さん(45)と学校側の双方が記者会見を開いた。
正彦さんは同日昼過ぎ、「いろんな情報が出てきて、息子の死の真相が明らかになればいい」と裁判への期待をにじませた。亡くなる直前の様子について「2日はテレビを見て笑い転げるなど死を予感させる雰囲気はなかった。3日、帰って来るなり『頭が痛い』と話し、盗難の話を切り出した。2日と3日で全く様子が違ってしまった」と振り返った。
一方、学校側も夜会見を開いた。同学園の青木徹理事長は「賢哉さんは意見をしっかり言う生徒で、何事にも前向きに取り組んでいた。学校生活の中から、自殺につながるような原因は見あたらない」とし、「道義的な責任は感じるが法的な責任は感じない」と主張。「学校で異常は感じられず、注意義務違反にあたらない。両親とは冷静に話しあう機会を待っていた」と反論した。
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