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2006年12月 2日 (土)

教基法改正案で参考人質疑

NHKの報に接した。箇条書きに書き直すと、
・基本的に賛成側の意見
筑波大学名誉教授・山本恒夫(自民党推薦)
「政府案は、生涯学習の意義や家庭教育の重要性といった少子高齢化やいじめの問題など今の教育課題に十分対応しており、評価できる」
静岡大学教授・馬居政幸(公明党推薦)
「今の教育基本法は平和で豊かな社会をつくるのに貢献したが、少子高齢化社会の下で生まれ育つ子どもには不十分な内容になっている」
私立狭山ヶ丘高校校長・小川義男(国民新党推薦)
「中国と韓国は熱心に国を愛する教育を行っており、政府案を修正し、愛国心をきちんと明記すべきだ」

・反対意見
全日本仏教会・杉谷義純(民主党推薦)
「政府案は、人生観を養い、異なる文化を理解するのに欠かせない宗教教育の重要性が示されておらず、審議も尽くされていない」
新潟大学大学院教授・成嶋隆(共産党推薦)
「政府案は、『教育の目標』など自主・自立の存在である教育を拘束する項目が多く盛り込まれており、憲法の定める思想・良心の自由にも反する」
新潟大学助教授・世取山洋介(社民党推薦)
「国家による教育への統制を強める政府案を国民的な合意を得ないまま成立させれば、将来、禍根を残す」

賛否の区分については異論もあろうが、読者の判断に一任する。
 一番お粗末なのが民主党だ。宗教界の重鎮らしき人を推薦し「宗教教育の重要性」を反対趣旨としている。一番話題になっているのは「郷土愛」「愛国心」の扱いだ。自民党案は「今ある国をそのまま受け入れて愛せよ」と主張する。「自国を愛するなら他国の人権を侵害してもやむなし」とするかどうかだ。それに対して、宗教教育論。宗教教育が不要とは言わないが、特定宗教を絶対視して強要する事は現行法でも違法である。反論になっていない。
 自民党推薦者も少子高齢化やいじめ問題などの「今の教育課題」に自民党案がどのように「十分対応している」のか説得力に乏しい。名誉教授の「名誉」後光にすがっているだけだ。

 今までの教育行政の反省なしに教育基本法改正をすべきではない。いじめなどは戦前から続いている問題だ。昨日今日に始まったことではない。

 参議院はこれらの意見を「聞きました。でも採決には関係ありません」とするのだろうか。
まだまだ目が離せない。

http://www3.nhk.or.jp/news/2006/12/01/d20061201000143.html
教基法改正案で参考人質疑
このうち、自民党が推薦した筑波大学名誉教授の山本恒夫氏は「政府案は、生涯学習の意義や家庭教育の重要性といった少子高齢化やいじめの問題など今の教育課題に十分対応しており、評価できる」と述べました。民主党が推薦した全日本仏教会の杉谷義純氏は「政府案は、人生観を養い、異なる文化を理解するのに欠かせない宗教教育の重要性が示されておらず、審議も尽くされていない」と述べました。公明党が推薦した静岡大学教授の馬居政幸氏は「今の教育基本法は平和で豊かな社会をつくるのに貢献したが、少子高齢化社会の下で生まれ育つ子どもには不十分な内容になっている」と述べました。共産党が推薦した新潟大学大学院教授の成嶋隆氏は「政府案は、『教育の目標』など自主・自立の存在である教育を拘束する項目が多く盛り込まれており、憲法の定める思想・良心の自由にも反する」と述べました。社民党が推薦した新潟大学助教授の世取山洋介氏は「国家による教育への統制を強める政府案を国民的な合意を得ないまま成立させれば、将来、禍根を残す」と述べました。国民新党が推薦した私立狭山ヶ丘高校校長の小川義男氏は「中国と韓国は熱心に国を愛する教育を行っており、政府案を修正し、愛国心をきちんと明記すべきだ」と述べました。

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コメント

トラックバックをしていただいたままでした。「教育混迷の責任は政府、行政にある。教育基本法にはない」という少し長い文章を載せました。教育混迷の実態と原因、そして責任を明らかにすることが、まずはなされなければならないことと考えます。

投稿: stone | 2006年12月 2日 (土) 23時00分

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