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2007年1月 8日 (月)

政治屋は悪者か~社説批判~

朝日の社説『政治の明日「政治屋」排する1票を』(07/1/7-2)に異議あり。
よく言われる言葉を思い起こす。「政治家は次の時代のことを考え、政治屋は次の選挙のことしか考えない」
今年は統一地方選、参院選と続く。政治家を選ぶか、政治屋を選ぶか。国民一人ひとりが確かな目を持ちたい。
 朝日が政治に関心を持とう!よく判断して積極的に投票しよう!と言いたいのは分かる。しかし、○○屋を卑下し、戦争への備えが必要、とも取れる社説には賛同できない。

 八百屋や米屋、魚屋、酒屋、を八百家、米家、魚家、酒家というだろうか。彼らは日々御用聞きに回り、配達する。電話一本ですぐ届けてくれる。かつては「つけ」もきいた。商売繁盛のためには今日の満足から、を知っているから。野菜作り、米作りは農、魚は漁、酒造りは酒蔵・杜…と職業毎に言い分けられるが、「家」が善で「屋」が悪なのは政治だけではないだろうか。逆に「活動家」に対する印象は必ずしも良くない。私は技術系の仕事をしているが『技術屋』に誇りを持っている。なぜなら、技術は手段であって目的ではないからだ。このブログを書いているときは『言論屋』で居たいと思っている。思想家とか批評家とかは似合わない。

○○屋は商店で使われることが多いが、顧客にとって好い店は「○○屋さん」と親しみを込めて呼ばれる。宿屋さんもそうだ。

議員・政務に関する公務員は「政治屋」と呼ばれるのを嫌っているようだ。特に自民党議員は政治屋と呼ばれると誹謗中傷されたと勘違いするほどに。政治屋ではなく政治家です、と恥も外聞も知らずに公言しているHPもある。

 【政治家は次の時代のことを考え】ている様で、名前連呼が好印象につながると信じて疑わない。与党や時には野党も既得権益を「守る」ため、選挙制度を都合良く変えてきた。推薦政党まで含めた獲得議席数と獲得票数推移、投票率推移を振り返ってもらいたい。投票率低下の要因は報道の姿勢にもあったはずだ。他人事みたいな傍観屋報道機関はいらない
 【政治屋は次の選挙のことしか考えない】と政治家や「よく言われる言葉」を格言として捉える人々は揶揄する。そう言うと、自分達はいかにも崇高な思想を持ち、視野が広く将来のことを考えているかのように錯覚できるから。だが、明日のことより今日の飯・今日の塒(ねぐら)だ。今日がなければ明日はない。次の選挙で当選するために支持を伸ばそうとする事自体は至って健全だ。当選すれば自分の考えを実現する事に大きく前進するのだから。

社説はまた【いまはまだ晴れ間があっても、いずれ曇りや雨の日がやって来る】【将来への備えを怠るわけにはいかない。それが政治の最大の責任】と主張する。しかし、戦後60年間「核の雲」に覆われ、核の地雷原を敷き詰め、挙げ句に核空母を容認しようとさえしている。どこに晴れ間があるのか、実感できない。効率は期待値以下かも知れないけど時間をかけて頑張ればそれなりに評価してくれた時代も危機に瀕している。「頑張れ」と言われ頑張るが、残業が続き効率が落ちたら「ダメじゃないか」「もっと頑張れ」。もっと頑張って病気になる。ついには自死を選んだり犯罪行為にはけ口を見いだそうとする。病気で労災申請しても「不支給」。自業自得と言われる。「もっと頑張れ」と。
いずれやって来るのはミサイルの雨と原爆の閃光なのだろうか。さぞ明るいだろう。【将来への備え】として世界最大級の日本軍と、敵を「排除」し無表情で殺せる兵士、マニュアル以上のことはやらない、できない、考えない兵器工場員、それらをできるだけ低コストで調達できる教育・世論。それを実現するのが【政治の最大の責任】だろうか。

モラル低下、規範意識低下が叫ばれているが、一番欠落しているのが政治家の「順法・遵法意識」だ。憲法を曲解して「解釈」と正当化してきた。さすがに無理が出たので改憲を叫ぶ。偽装世論も100万円で買収。実費だけで23億の損害を100万円で買い取るのだから商売上手だ。時幸いに仮想敵国が戦意満々「絶対に放射能漏れのない核実験」成功を誇示している。【核爆発以外で人工地震をおこす】のが一番簡単。核爆発だったとしても可搬性があり、さらにミサイルに搭載できるかは甚だ疑問だ。そこまでできているなら、爆発の瞬間を捉えた映像くらいは公表するだろう。公式に「できた」と言明しているから非難・経済制裁等の措置を取るのは当然だが、軍拡は相手に攻撃の口実を与えるだけだ。自衛隊が「軍でない」と広く認識されている国はどのくらい有るのだろうか。

話が長くなったが、恐怖政治に恐怖報道で対抗するのは愚かだ。朝日信奉者からの反論を期待する。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu2
【社説】2007年01月07日(日曜日)付  政治の明日 「政治屋」排する1票を
 残念ながら、「政治」という言葉に、良いイメージを持つ人は多くないようだ。
 一昨年死去した後藤田正晴元官房長官は、次のように率直に記している。
 「あいつは政治家だから」とか「彼は政治的に動く」とはよく使われる表現だが、それは「彼の行動は信頼するに足る」という意味とは逆である。これは、政治とか政治家に対する国民の不信感を物語るものであって、深く反省しなければなるまい。(1988年、「政治とは何か」)
 88年といえば、リクルート事件が発覚した年だ。値上がり確実な未公開株が有力政治家らにばらまかれ、自民党長期政権のよどみに政治不信は極まった。
 後藤田氏らは「政権交代可能な政治」が必要だと考えて、衆院への小選挙区制の導入をめざした。その意思は非自民の細川連立政権の樹立を経て、6年後に実った。
 政治の風景は確かに変わった。自民党の派閥は衰えた。政権交代を本気でめざす民主党という野党第1党が生まれた。政策を重視するマニフェスト選挙も定着してきた。
 では、政治や政治家は国民の信頼を勝ち得ることができたのか。残念なことに、そうとは言えない。
 よく言われる言葉を思い起こす。「政治家は次の時代のことを考え、政治屋は次の選挙のことしか考えない」
 最近のことで言えば、郵政造反議員の復党である。改革路線もなんのその、夏の参院選のことしか考えない今の自民党の表れだろう。いくら安倍首相が参院選と「全くかかわりない」と否定しようと、白々しく響くばかりだ。
 消費税引き上げの議論を参院選後に先送りしたのも同じだ。引き上げるといえば、参院選に不利になる。そう見切っての「政治屋」の思惑ではないのか。
 自民党だけではない。
 民主党も基本政策で、自民党と競うように消費税の「5%維持」を掲げた。3年前の参院選では、政策に現実味を与えようと、マニフェストで年金目的消費税の導入を訴えたのに、それとの整合性はどこへやら、だ。
 J・F・ケネディは、大統領就任直前にまとめた演説集でこう述べている。
 「屋根を修理するのは太陽の照っているときであり、健全で長期の農場計画をたてるのはいまである」(60年)
 日本は人口減少社会に入った。いまはまだ晴れ間があっても、いずれ曇りや雨の日がやって来る。「次の時代」がそんな時代だからこそ、いっそう将来への備えを怠るわけにはいかない。それが政治の最大の責任なのだ。
 そんなことを考える政治家がいるはずがない。そう言って、あきらめたり冷笑したりするのは簡単だ。だが、それでは政治家もまた育たない。
 今年は統一地方選、参院選と続く。政治家を選ぶか、政治屋を選ぶか。国民一人ひとりが確かな目を持ちたい

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コメント

どうやったら、政治家に投票できるんですか?無い袖は振れぬと言います。選挙にも同様なことが言えるのでは?

投稿: gea_jp@yahoo | 2007年1月16日 (火) 22時11分

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