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2007年1月29日 (月)

重要な視点が抜けている「給食費滞納問題」~社説批判~

 公立学校での給食費滞納が社会問題となっているらしい。毎日新聞が、1月26付け社説で論じている。
しかし、重要な視点が抜けていないか? 記事は滞納理由を【学校の認識だと】で片づけている。その裏付け取材はしていないのだろうか。これでは大本営発表と大差ない。

その、学校の認識だと滞納の理由は
  保護者の責任感や規範意識 60%
  経済的理由 33%
  (引き算で)その他 7%

と、ある。そして、保護者の意識=【明らかに支障はないのに踏み倒し同然に滞納を続け、請求に対し居直ったりする保護者】と決めつける。取材の裏付けがあるのか、伝聞による推測なのか、明確にしてほしい

 たしかに、子が、他の子と同様に給食を食べているにもかかわらず、納入の督促をするとその場限りのような言い訳を繰り返したり、居直って怒鳴り出す親もいるだろう。しかし、1%×60%=全体の0.6% の多数がそうである確証はない。たまたま1~2ヶ月振込を忘れた場合も含まれているのではないか(奨励・是認するつもりはないが)。督促する方も、電話・口頭で済ましてはいないか。それは事なかれ主義だ。失礼のない書き方で文書で督促するだけでも、効果はあるはずだ。雛形一つ、作っておけばよい。

 一方、学校判断の「偏食」が体罰になっていないだろうか。私は殆どの食べ物が好きだが、学校給食でどうしても食べられなかった事が1度だけある。その時は、給食後の休み時間と、掃除の時間が終わるまで「その」食べ物とにらめっこしていた。掃除が終わる頃、ようやく先生が『残していいよ』と言ってくれた。私には残すという概念がなかったのだ。今でも覚えている。もう30年以上前だが…。マズイものはマズイのだ。

 オトナが偏食と決めつける、嫌いな食べ物・食べられない食べ物もその本人の自然な防御反応であることをオトナは知るべきだ。昔からハンバーグやカレーに細かくして入れたりする工夫はある。

 しかし、細かく混ぜ込む工夫を「してはならない」場合を忘れてはならない。食物アレルギーだ。
当たり前だが、本人の意志とは関係なく、アレルギー反応は起こる。食べなくても、触れただけで危険な場合もある。その場合、毎日弁当を持たせる事が多い様だが、その場合も『平等』に給食費を徴収していないだろうか。決まりだから、と督促されて多くの人が要らぬ負担を強いられていないだろうか。

 いわゆる公式発表を鵜呑みにして、同じ観点だけからしか論じないのは大衆報道として失格だ。誰かが言っている「規範意識の低下」にお墨付きを与える社説に危機感を覚える。

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070126ddm005070154000c.html
社説:給食費滞納 「払えても払わない」は通らぬ
 小中学生のほぼ1%分の学校給食費が滞納になっている。主な理由は何か。学校の認識だと、60%が「保護者の責任感や規範意識」の欠如で、経済的理由は33%にとどまる。
 生計上必要な出費がかさんだり、定収入が突然途絶するなどしたために、給食費を払いたいのに払えないという状況はあるだろう。生活保護による教育扶助や就学援助などの制度でカバーするだけでなく、気後れや制度を十分知らないために適用申請できない人にはきちんと適用されるよう学校や自治体はケアをしなければならない。当然のことだ。
 しかし、明らかに支障はないのに踏み倒し同然に滞納を続け、請求に対し居直ったりする保護者は論外だ。現行給食制度への不満や意見があるなら堂々と論じればよい。しかし、まず平等に負担し、ルールを守ることが大前提だ。看過し、なし崩しに黙認するようなことになったら、ひいてはさまざまな社会の基本ルールをむしばむだろう。第一、子供が見ている。このことを忘れてはならない。
 学校給食については少子化対策のため独自に無償化する自治体も現れている。そういうことも含め将来に向けて柔軟な制度改革が論議されてよい。そのためにも現在の制度が不公平感なく運用されている必要があるのだ。
 一方、今回の調査の結果、文部科学省は、今の時代に学校給食が果たしている役割や意義をもっと国民に理解してもらわなければならない、と痛感したようだ。
 戦前「救貧」「欠食児救済」を主眼に一部で行われた学校給食は、戦後「ララ物資」の脱脂粉乳など米国の援助を受け全国規模で発足した。法で「教育」と位置づけ、味覚や食材知識、マナー、社交性など食文化を学ぶ場とした。
 1960年代には共同調理するセンター方式が広まり、70年代には米飯給食も開始、メニューも多様になった。また郷土学習を兼ね、地元名産物を食材にしたり、ランチルームで学年の違う子供たちが会食するなど、さまざまな工夫が凝らされている。
 また食を通して総合的な教育をする「食育」も定着し、この推進を学校現場で担う栄養教諭制度も導入、配置されつつある。
 ちょうど60年前の47年1月。毎日新聞の記事は、ララ物資をもとに東京都内で一斉に給食が始まったことを報じる。満面の笑みの子供たちの写真付きだ。「芝の国民学校では870人の学童が『これは進駐軍のお土産ですよ』という先生の説明を聞きながら、さけ缶のスープに心の中まで温まったが、学校側で一番の悩みは燃料と調味料だという」……。
 そして今、学校給食が置かれた状況は大きく変わった。肥満対策、あるいは偏食や朝食抜きの子供たちの栄養確保なども重要な課題になっている。
 こうしたことを踏まえ、今後の学校給食のあり方を考える機会になるのなら、今回の滞納問題をめぐる論議や関心の高まりはより深い意義を持つだろう。
毎日新聞 2007年1月26日 東京朝刊

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