« 終わってみればの負け惜しみ~「地方」選~か… | トップページ | ならば算数教育も国語教育も全部やめるべきだ »

2007年5月 1日 (火)

一円を笑う者は一円に泣く-政治資金は誰のもの?

 財政難って、いったいどこの国の話なんでしょうかねぇ。
『一円を笑う者は一円に泣く』
『一円足りなくてもモノは買えない』

なんて事を小さい頃から言われてきて、財布の中に5万円以上入ってる事なんか、年に一度ありゃいい身には何とも理解できない話が大真面目で議論されているらしい。

 そもそも、政治資金は誰のものなのだろうか。議員と所属政党への「報酬」なのかしら。当人たちはそう認識しているらしい。民主党も同じ穴のムジナ。領収書や振込の確認が取れないカネは一円たりとも支払わないのが民間の常識である。

 お預かりした政治資金をどの様に有効に使ったか、その成果がどれだけだったかを説明することが既存政党・既存議員の義務ではないのか。

 選挙のたびに『公明正大』仮面や『清廉潔白』仮面を付けてきたが、そろそろ年貢の返納し時だ。デッチアゲタウンミーティングの無駄遣いもよもや忘れたとは言わすまい。

 ニホンの通貨の最小単位は「一円」ですよ、政党サン、議員サン。政治業務に掛かった費用は全て、一円単位で報告してはいかがか。事務所の末端事務員への給与などは個人名を伏せるなど、協力者保護を図る事はいくらでもできる。まずは、領収書が保管されているはずの、過去3年分の使途明細を速やかにホームページで公表すべきだ。

 政党として政治資金・献金を受けていない政党も積極的に開示すべきだ。
 先日の統一地方選で「選挙に金を使わない」をスローガンにした候補者が散見されたが、私は信用しない。選挙で選ぶのは、如何に税金を有効に使える人かだからだ。カネの使い方を知らない者を議員にはできない。

この話のタネは、下記の社説2件。
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070430k0000m070122000c.html
社説:政治とカネ 領収書で幕とはいかない(2007.4.30毎日)
http://www.asahi.com/paper/editorial20070421.html
政治とカネ―「首相の指示」は偽物か(2007.4.21朝日)

 【だが、これを聞いて「まだ、こんなにもたついているのか」とあきれる人の方が多いだろう。】(毎日)。はい、あきれかえってます。なぜ、政治団体・政党や議員の公的活動・職務に関わるカネについて、会計検査院なり、民間の公認会計士なりの監査制度がないのか、甚だ疑問です。

 【「首相の指示」は偽物か】(朝日・タイトル)。「偽物」と言うより、「タテマエ」でしょ。「ワタクシノシジデ」だとか、独裁ぶりをアピールしそこねまくっているヤカラですから。

 民主党はきっぱり自民党と決別すること、文字通り清廉潔白となること、そして、「2大政党」などという幻想と破滅の世界に気付き、野党共闘を全国展開すること。これらが夏の参院選にむけての必須条件である。

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070430k0000m070122000c.html
社説:政治とカネ 領収書で幕とはいかない
 政治資金管理団体の事務所費について、自民党が5万円以上の経常経費支出(事務所費、光熱水費、備品消耗品費)には領収書のコピー添付を義務付けることを認める方向になった。安倍晋三首相が5月の連休後、最終判断し、政治資金規正法の改正を指示するのだという。
 だが、これを聞いて「まだ、こんなにもたついているのか」とあきれる人の方が多いだろう。
 昨年末、辞任した佐田玄一郎・前行政改革担当相の不正経理問題に端を発した政治家とカネの問題は、今の国会でまずけじめをつけなくてはならない問題だった。ところが、「ナントカ還元水」に象徴される松岡利勝農相の光熱水費問題など、ほとんどは真相究明が宙に浮いたままになっている。
 自民党もこのままでは7月の参院選を戦えないと考えたのだろう。当初、公明党が領収書のコピー添付を主張したのに対し、「プライバシー保護だ」などと、およそ説得力のない説明で抵抗していたが、ようやくコピー添付だけは認めようということのようだ。
 領収書は提出した報告書の記載が正しいかどうかを証明する資料だ。今の政治資金規正法でも添付は義務付けられていないが、不審な点が発覚した際、説明が可能なように1件5万円以上の領収書は3年間保存することになっているそれを添付し、公表することに、なお不満が残っているというのは、やましいことがあるからだと見られても仕方があるまい
 しかも、これでは支出の記載を「1件5万円未満」に細分化してしまう抜け道が残る。民主党が既に改正案を提出しているように、この際、せめて1万円以上は領収書を添付すべきである。
 政治資金収支報告書の記載は基本的に政治家側の裁量に委ねられている。政治家はウソをつかないという性善説に基づいているということだ。だが、税金から巨額の政党交付金が出ているというのに逆に国民の不信は増すばかりだ。もはや性悪説を前提にした改正に踏み切らざるを得ない。
 もちろん、それで一件落着というわけにはいかない。
 松岡農相は「国会でルールを決めてもらえれば、それに従って公表する」とも述べている。だが、仮に改正すれば、今度は「それは今後のルールで過去の話は関係ない」と強弁するのではなかろうか。安倍首相もこれで乗り切れると思っているとしたら参院選では有権者からしっぺ返しを食うだろう。規正法違反である報告書の虚偽記載の疑いが一向に消えていないことを改めて指摘しておく。
 一方、民主党は多額の寄付を報告書に記載していなかった疑惑で参院副議長を辞任した角田義一氏ら3人を厳重注意などとした。鳩山由紀夫幹事長は「自民党との違いを示した」と言うが、党規則の中でも軽い処分だ。角田氏も辞任会見では質疑を打ち切り、その後もまるで説明をしていない。
 自民、民主どちらが「どっちもどっち」の状況から抜け出すか。有権者はそれを見ているのだ。
毎日新聞 2007年4月30日 0時52分

http://www.asahi.com/paper/editorial20070421.html
政治とカネ―「首相の指示」は偽物か(2007.4.21朝日)
社説 2007年04月21日(土曜日)付

 なんとも、「首相の指示」が軽く見られたものだ。
 安倍首相が「今国会に政治資金規正法の改正案を提出したい」と与党に指示した。1円もかかるはずのない議員会館に数千万円もの光熱水費を計上した松岡農林水産相をはじめ、閣僚の相次ぐ疑惑が念頭にあるのは言うまでもない。
 ところが、指示された自民党にまったくやる気が見られないのだ。あれこれ理由をつけて、公明党との与党協議もずるずると引き延ばしている。
 発端は昨年暮れ、実体のない事務所に巨額の経費を計上したことが発覚し、辞任した佐田前行革担当相だった。
 それから4カ月。首相は事態の広がりを放置してきた。佐田氏や松岡氏に事実を説明させるべきだという野党などの要求は耳に届かないようだった。
 それでもさすがに、いつまでも手をこまぬいているのはまずい、と思ったのだろう。「首相の指示」を出した。
 公明党は前向きだ。資金管理団体の事務所費や光熱水費などの経常経費について、政治活動費と同じように、1件5万円以上の支出には領収書の添付を義務づけることを主張している。
 これに対し、自民党が猛烈に反発している。事務所費に限って家賃や通信費などの項目を五つ程度に細分化すれば、領収書の添付は必要ない、というのだ。
 項目をいくら細かくしても、正しく処理されているか否か、国民は判断しようがない。なぜ、そんなに領収書の添付を嫌がるのか。「領収書を集める手間が煩雑すぎる」からだという。
 だが、その言い訳は通らない。規正法は1件5万円以上の支出について、領収書を3年間保存することを義務づけている。収支報告書に不審な点があると指摘されたときに、説明できるようにするためだ。領収書は手元にあるはずだ。
 領収書の添付に抵抗するのは、今まで通り政治資金を勝手に使いたいためではないか。そう勘ぐりたくなる。
 公明党案も不十分だ。対象を資金管理団体に絞れば、別の政治団体を使うなどの抜け道ができる。対象を5万円以上に限れば、抜け道はさらに広がる。
 たとえば松岡氏は、05年まで9年間の政治活動費のうち、計8600万円の交際費に領収書を1枚も付けていない。すべてが「1件5万円未満」だったというのだろうが、信じる人はいまい。
 民主党は、すべての政治団体について経常経費も政治活動費も1万円を超える支出には領収書を付ける、という改正案をすでに国会に提出している。せめてこれくらいの改善策が必要だ。
 首相はなぜ、指示に従わない党幹部に怒らないのか。中川秀直幹事長はこんなときこそ、持ち前の首相への「忠誠心」を発揮して調整に動いてはどうか。
 公明党も本気だというなら、主張の近い民主党と組んで自民党の尻をたたくくらいのやる気を見せるときだろう。

 今気付いたんですけど、「規制法」じゃなくて『規正法』なんですね。規律正しくするための法律、なのにザル法。こんなオトナに「規律」なんて教えられたくないわ。ということで教育のカテゴリにも入れときます。

|

« 終わってみればの負け惜しみ~「地方」選~か… | トップページ | ならば算数教育も国語教育も全部やめるべきだ »

コメント

お久しぶりです。賛成です。金の問題を別にして、倫理的に美しい国なんてありえません。自己矛盾もはなはだしい。「それとこれとは別」なんて、そんなデタラメが通るようだったら嘆かわしい事態ですわ。

投稿: momo2006 | 2007年5月 1日 (火) 07時26分

momo2006さん、いつもコメントありがとうございます。
「小さな政府」などと綺麗事言って、不採算事業を地方と庶民に押しつける政治手法に、そろそろ多くの人が気付いてもいい頃かと思うのですが…
 なかなか盲信者が減りませんね。。。

投稿: 寸胴 | 2007年5月 2日 (水) 00時50分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 一円を笑う者は一円に泣く-政治資金は誰のもの?:

« 終わってみればの負け惜しみ~「地方」選~か… | トップページ | ならば算数教育も国語教育も全部やめるべきだ »